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『東京タワー』

かなり前に読んだ本だけど、結構評判を聞くのでちょっと感想書いておこうっと。

『東京タワー』 リリー・フランキー

リリー・フランキーっていう人については、雑誌コラムなどはよく目にしていたのですが、最近テレビなんかでもよく見るようになった。
いい年して若い女の子好きっぽいし、すっとぼけたこと言ったりしてるし、なんていーかげんそうで軟派なオッサンなんだと、非常な好感をもって眺めていたのです。

実はね・・



あたしはナンパでいい加減な人っていうのは結構好きだったりする。
結構、繊細な神経を持っていたりして、その割に、なぜか行動はテキトーでウラハラっつうのが、なんかいいのである。

さて、そのリリーさんの小説であるが、各所で大絶賛らしい。
しかも、その評判が「泣ける!」と。

泣きたいブーム、みたいなのが最近流行っているけど、どうも苦手~。
あと、感動させてくれ!みたいなのとか。
なんでそんなに感動したいの?
思わずじわっと来た、とか、知らずに心が動くから、その瞬間が印象に残るので
あって、涙流して号泣するかどうかなんて、単なる生理現象じゃん。
冷たい? いや、冷めてるわけじゃないのよ。泣けるというものを選んでわあわあ泣く、っていう
のが、どうなんかな、と。

ま、そんなわけで、別に泣きたい訳ではなかったが、ナンパ・リリーは結構いいよな、と思っていたので読んでみたのだ。

確かに、お母さんの最期の部分とか、やっぱり切ない。(→泣ける箇所)

しかしこの本であたしが一番感じたことは、これは地方 VS 東京の話なのかなーと。
地方で生まれて東京に出てくる、おそらく今東京にいる人の中で相当の割合を占める人たち。

九州の炭鉱町で育ったリリーさんがやがて学生になり東京に出、いったんどん底に落ちてダメ人間になる。
そこで何を感じてどう変わっていったのか。地方から都会へ、という環境の変化はどういうもんなのか?
で、さらに、その中で家族(親)に対する感情が微妙に揺れて変化したり、そして深くなったり。

基本的には母親への愛情がテーマだと思うのですが、東京で育った私にとっては、実はそこが一番、印象に残って、そしてちょっとうらやましいなあと、思った部分なのでした。
by suo-suo | 2005-11-01 22:48 | 本とか芝居とか音楽とか


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